新卒1年目のふるさと納税、上限額は4月からの給与で計算する
社会人1年目でも、ふるさと納税はできます。上限額は、寄附した年の1月から12月までの所得で決まります。4月に入社した人なら、4月から12月までの給与と賞与が、その年の年収になります。
1年分の給与ではないので、上限額は同じ月給で1年働いた場合より小さくなります。月給を12倍した額で計算すると、上限を超えて寄附してしまうおそれがあります。
いまの給与から住民税が引かれていなくても、上限額とは関係ありません。2026年に寄附した分は、2027年6月からの住民税で引かれます。
1年目の住民税と、ふるさと納税の住民税は別の年の分
住民税は、前の年の所得をもとに計算されます。2026年度の住民税は、2025年の所得で決まります。住民税の所得割は、前の年の所得が一定の額以下ならかかりません。2025年に学生で所得が少なかった人は、1年目に住民税の所得割がかからないことがあります。
ふるさと納税で控除される住民税は、寄附した年の次の年度の分です。2026年に寄附したら、2027年度の住民税(2027年6月から納める分)から引かれます。2027年度の住民税は、2026年の所得、つまり社会人1年目の所得で計算されます。
つまり、1年目に寄附した分の控除は、2年目の6月から始まる住民税で受けることになります。2年目の6月からは、1年目の所得をもとにした住民税がかかり始めます。ふるさと納税の控除は、その住民税を減らす形で効きます。いま住民税を払っていなくても、寄附できない理由にはなりません。
所得税は寄附した年の分で控除されます。2026年に寄附した分は2026年分の所得税です。ワンストップ特例を使う人は、所得税からは引かれず、その分も含めて翌年度の住民税から引かれます。
1年目の年収は「4月から12月の給与と賞与」
上限額を決める年収は、源泉徴収票の「支払金額」に書かれる額です。税金や社会保険料を引かれる前の総額で、毎月の給料だけでなく賞与も入ります。
1年目は、1月から3月の給与がありません。4月入社なら、給料は多くて9か月分です。これに、夏と冬の賞与の見込みを足します。1年目の賞与がいつ、いくら出るかは、入社した会社の規定や説明で確かめてください。分からなければ、賞与を入れずに計算しておくと、上限を超えにくくなります。
学生のあいだ、1月から3月にアルバイトをしていた人は、その給与も同じ年の給与です。足して考えます。
月給は手取りではなく、税金や社会保険料を引かれる前の額で数えます。残業代の見込みで迷うなら、少なめに見込んでおきます。
計算した例:月給22万円の人
月給22万円で4月に入社した人を例に、2026年に寄附する分の上限額を計算しました。前提は、給与のみ・独身・社会保険料は給与の15%・ほかの控除なしです。
| 2026年の給与 | 年収 | 上限額 |
|---|---|---|
| 4〜12月の給料だけ(22万円×9か月) | 198万円 | 12,822円 |
| 上の給料に冬の賞与30万円を足す | 228万円 | 18,915円 |
| 参考:同じ月給で12か月分(2年目のイメージ・賞与なし) | 264万円 | 23,556円 |
年収198万円の例では、所得税はかかりません。2026年分は所得税の基礎控除が大きくなったため、この例では課税される所得が残らないからです。それでも住民税の所得割はかかるので、上限額はあります。
上限額は、住民税の所得割をもとに決まります。この例で計算した2027年度の所得割は、年収198万円で48,700円、228万円で71,800円です。上限額は、所得割の20%を、税率で決まる特例分の割合で割り戻し、2,000円を足した額です。所得割が小さい1年目は、上限額も小さくなります。
同じ月給でも、1年目は9か月分しかないぶん、12か月分で計算した額より上限額が小さくなります。賞与があるかないかでも、上限額は大きく動きます。
2年目は1月から12月まで給与が出るので、月給が同じなら、上限額は1年目より上がります。ただし、去年の上限額を覚えておいて使い回すのではなく、2年目も2年目の見込み年収で計算し直してください。
上限を超えて寄附するとどうなるか
上の例で、年収198万円の人が20,000円を寄附した場合も計算しました。前提は同じです。このときの自己負担は2,000円ではなく、確定申告なら8,460円、ワンストップ特例なら7,800円台になります。上限額を超えた分は、控除が一部しか効かないからです。
年収228万円の人が20,000円を寄附した場合は、上限額を少し超えます。自己負担は、確定申告なら2,921円、ワンストップ特例なら2,900円台です。
月給を12倍した年収で調べた目安を、1年目の人がそのまま使うと、上限を超えやすくなります。自分の4月から12月の給与で計算してください。
反対に、見込みより年収が多かった場合は、上限額が残るだけです。残った枠は翌年に持ち越せないので、賞与の額が分かってから寄附額を決めるのが確実です。年の途中の考え方は、いつの年収で決まるかにまとめています。
ワンストップ特例と確定申告
1年目の人も、確定申告をしなくてよい給与所得者で、寄附先が5団体以内なら、ワンストップ特例を使えます。寄附先の自治体に申請すると、確定申告をしなくても控除を受けられます。国税庁の適用確認シートは、給与が2か所以上から出ていないか、給与以外の所得がないかなど6つの問いで分けています。申請の期限は、名古屋市などの自治体の案内では、寄附した翌年の1月10日です。
医療費控除を受けるなど、確定申告をする人は、ワンストップ特例の申請が無効になります。その場合は寄附も全部、確定申告に入れます。どちらを使うかの分かれ目は、ワンストップか確定申告かで説明しています。
寄附の締めは12月31日です。年末に慌てないよう、年内の給与と賞与がおおよそ見えた時点で寄附額を決めておきます。締めの考え方はいつまでにあります。
1年目の給与で上限額を計算する
計算するときは、年収の欄に「4月から12月の給与と賞与の見込み」を入れてください。月給の12倍ではありません。計算機は社会保険料も聞きます。分からなければ年収から見積もる選択肢があります。給与明細の健康保険・厚生年金・雇用保険を足し上げて入れると、上限額が実際に近くなります。
1年目の給与で上限額を計算する年収と家族を答えるだけ・2026年の税制で計算