ふるさと納税はワンストップ特例と確定申告のどっち?分かれ目は国税庁の6つの質問
ワンストップ特例を使えるかどうかは、国税庁の「ワンストップ特例の適用確認シート」の6つの質問で決まります。6問とも通れば、ワンストップ特例で済みます。1つでも外れたら、確定申告です。
確定申告をすると、ワンストップ特例の申請はなかったことになります。申請した寄附も含めて、その年の寄附を全部、確定申告に入れます。上限額は、ふつうはどちらでも同じです。ただし住宅ローン控除がある人は、確定申告にすると上限額が下がることがあります。
どちらになるかの判定と、確定申告の画面ごとの進め方は、確定申告ナビで質問に答えながら確かめられます。
分かれ目は6つの質問
国税庁の適用確認シートは、次の6つを順に聞きます。
1つ目は、給与所得者かどうか。2つ目は、2か所以上から給与を受け取っていないか。3つ目は、1年の給与収入が2,000万円以下か。4つ目は、給与所得以外の所得がないか。5つ目は、その年に寄附した自治体が5団体以内か。6つ目は、確定申告をする予定がないか、です。6つ目の例として、住宅ローン控除の初年度と、医療費控除が挙がっています。
会社員で、給与は1か所だけ、副業などの所得がない人なら、残るのは5つ目と6つ目です。寄附先が5団体以内に収まっていて、ほかに確定申告をする理由がなければ、ワンストップ特例を使えます。
注意したいのは4つ目です。国税庁の別の案内では、給与以外の所得が20万円以下なら確定申告をしなくてよい、とされています。ただ、適用確認シートは、給与以外の所得がある人をワンストップ特例を使えない側に分けています。確定申告ナビも、このシートのとおりに判定しています。
ワンストップ特例の流れ
ワンストップ特例は、寄附をするときに、寄附先の自治体へ申請書を出す仕組みです。自治体が住所地の市区町村に寄附の内容を知らせ、翌年度の住民税から控除されます。
このとき所得税からは引かれません。所得税で引かれるはずだった分も含めて、寄附した翌年の6月以降に払う住民税が減ります。
申請書は、寄附した翌年の1月10日までに寄附先へ届くように出します。申請したあとに引っ越しなどで住所が変わったら、同じく1月10日までに変更の届出を出します。
5団体は、自治体の数で数えます。同じ自治体に何回寄附しても1団体です。6団体目に寄附した時点で、それまでの申請も含めてワンストップ特例は使えなくなります。
確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になる
ワンストップ特例を申請したあとで、医療費控除のために確定申告をすることになった。こういう人は少なくありません。
このとき、申請したワンストップ特例は無効になります。国税庁は、確定申告をする人は、ワンストップ特例を申請した分も含めて寄附金控除を計算する必要がある、と案内しています。地方税法にも、確定申告書を出した人の申請はなかったものとみなす、という決まりがあります。
ここで寄附を申告から外すと、外した分は控除されません。確定申告書等作成コーナーでも、寄附金控除の入力画面に、ワンストップ特例の申請分も入力する必要がある、という注意が出ます。
確定申告をした場合、ふるさと納税の控除は2つに分かれます。所得税は寄附した年の分から戻り、住民税は寄附した翌年度の分が減ります。ワンストップ特例と違い、所得税の分は還付として先に戻ってきます。
住民税の分を自分で別に入れる必要はありません。所得税の寄附金控除に入れた内容から、確定申告書の住民税の欄が作られます。
上限額は、ふつうはどちらでも同じ
ワンストップ特例を使うと、所得税で引かれるはずだった額を、住民税から「申告特例控除額」として引きます。この額は、所得税で引かれる額と同じになるように決められています。そのため、上限額はふつうどちらでも同じです。
例外は、住宅ローン控除がある人です。住宅ローン控除で所得税がほぼ0になっている人は、確定申告にすると、ふるさと納税の所得税の分と住宅ローン控除が、住民税に回す枠を取り合います。このサイトの計算では、給与収入500万円の独身で住宅ローン控除が30万円の場合、上限額はワンストップ特例なら57,000円ほど、確定申告だとほぼ2,000円でした(社会保険料は給与の15%、ほかの控除なし、2026年に入居した人の枠で計算)。くわしい仕組みは住宅ローン控除の記事にまとめています。
もう1つ、確定申告では寄附金控除で所得税の課税所得が下がり、所得税の税率の区切りをまたぐことがあります。そうなると所得税の戻りが少し減り、自己負担が2,000円を少し超えることがあります。
確定申告にする人の準備
確定申告は、寄附した翌年の2月から3月が申告の時期です。総務省は、原則として寄附した翌年の3月15日までと案内しています。税金が戻る還付申告なら、国税庁によると翌年1月1日から5年間出せます。
寄附した自治体から届く寄附金受領証明書は、申告に使います。e-Taxで出す人も、税務署から求められることがあるので、5年間は保管しておきます。
作成コーナーでふるさと納税を入れるのは、「控除の入力」の画面です。「ふるさと納税などの寄附をした方」から「寄附金控除」に進み、寄附金受領証明書の寄附年月日・金額・寄附先を1件ずつ入れます。寄附金控除になるのは、寄附の合計から2,000円を引いた額です。
入力を省く方法もあります。マイナポータルと連携すると、ポータルサイトや自治体が出す証明書のデータを取り込み、寄附金控除の欄に自動で入れられます。国税庁の一覧(令和8年2月時点)では、楽天ふるさと納税・さとふる・ふるさとチョイス・ふるなびなど14のサイトが対応しています。
自分はどちらか、ナビで確かめる
迷ったら、確定申告ナビで6つの質問に順に答えてください。ワンストップ特例で済むか、確定申告が必要かを判定します。確定申告になる人には、国税庁の作成コーナーのどの画面で何を入れるかを、順番に案内します。
確定申告にするか、ワンストップ特例にするかが決まったら、上限額も確かめておきます。住宅ローン控除の額を入れると、ワンストップ特例と確定申告の上限額を両方出します。医療費控除を受ける人は、その額を入れると上限額に反映します。
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