育休の年のふるさと納税、上限額は下がる|育児休業給付金は年収に入らない
育休を取る年は、ふるさと納税の上限額が下がります。上限額は、その年に会社から受け取った給与で決まります。育休中に受け取る育児休業給付金は、税金がかからないお金なので、この年収に入りません。
育休に入る前と、復帰したあとの給与だけが、その年の年収です。育休が長いほど、上限額は小さくなります。このサイトで計算した例では、月給30万円の人が年の半分を育休にすると、上限額は1年働いた場合の4分の1ほどになりました。
去年の上限額を目安に寄附すると、上限を超えやすい年です。今年の給与で計算し直してください。
育児休業給付金は税金がかからない
育児休業給付金は、雇用保険から出るお金です。雇用保険法は、失業等給付として受け取ったお金を基準に「租税その他の公課」をかけることはできない、と定めています(第12条)。この決まりは、育児休業給付金などの育児休業等給付にも当てはめると定められています(第61条の6)。
ふるさと納税の上限額は、住民税の所得割から決まります。所得割は、給与などの所得にかかる税金です。税金をかけない給付金は、所得割の計算に入りません。上限額を計算するときの年収にも入れません。
上限額の計算で年収というときは、源泉徴収票の「支払金額」、つまり勤め先から受け取った給与の総額です。育休中に会社から給与が出た月があれば、その分は足します。
社会保険料も、育休中は少なくなる
日本年金機構によると、3歳未満の子を育てるための育児休業等の期間は、勤め先が申し出ることで、健康保険と厚生年金の保険料が本人の分も免除されます。
上限額の計算では、社会保険料が多いほど上限額が下がります。育休の年は、給与が減るのと一緒に、引かれる社会保険料も減ります。社会保険料は、実際に給与から引かれた額で入れてください。いつもの年の額を入れると、上限額が低く出すぎます。
育休の月数ごとに計算した上限額
月給30万円・賞与なしの人が、2026年に育休を取った場合を計算しました。前提は、給与のみ・配偶者控除や扶養控除なし・社会保険料は受け取った給与の15%・ほかの控除なしです。給与は例です。
| 2026年に会社から受け取る給与 | 年収 | 上限額 |
|---|---|---|
| 12か月分(育休なし) | 360万円 | 36,042円 |
| 9か月分(10月から育休) | 270万円 | 24,333円 |
| 6か月分(7月から育休) | 180万円 | 9,444円 |
| 3か月分(4月から育休) | 90万円 | 0円 |
年の4分の3を育休にした例では、上限額は0円でした。年収90万円では、住民税の所得割がかからないからです。この場合、寄附しても控除は受けられません。
上限を超えたときの負担も計算しました。育休なしの上限額を目安に36,000円を寄附した人が、実際は7月から育休で年収180万円だった場合、自己負担は2,000円ではなく、確定申告なら25,900円、ワンストップ特例なら25,497円になります。上限額を超えた分は、控除が一部しか効かないからです。仕組みは上限を超えたらで説明しています。
いま払っている住民税とは別の年の話
育休中も、住民税を払っている人がいます。いま払っている住民税は、前の年の所得で決まった分です。育休の年の上限額とは関係ありません。
2026年に寄附した分は、2027年度の住民税から引かれます。2027年度の住民税は、2026年の所得、つまり育休の年の給与で計算されます。上限額が小さくなるのは、この翌年度の住民税の所得割が小さくなるからです。
これから育休に入る予定の人は、寄附の時期にも気をつけます。年の前半に、育休なしの年収で計算した上限額いっぱいまで寄附してしまうと、あとで育休に入ったときに上限を超えます。育休に入る月が決まってから、その月までの給与と、復帰後の給与の見込みで計算するのが確実です。
育休が年をまたぐ人は、2年とも給与が少なくなります。上限額は1年ごとに、その年の給与で計算してください。年の途中の見込み方はいつの年収で決まるかにまとめています。
配偶者の上限額が下がることもある
育休の年は、配偶者の上限額が変わることもあります。配偶者控除は、配偶者の合計所得金額で決まります。2026年分は62万円以下、給与だけなら年収136万円以下です。育児休業給付金は所得に入らないので、育休を取った人の給与がこの額以下なら、もう片方は配偶者控除を受けられることがあります。
配偶者控除を受けると税金が下がるので、受ける側のふるさと納税の上限額は下がります。年収500万円の会社員(給与のみ・社会保険料は給与の15%・ほかの控除なし)で計算すると、配偶者控除がない場合は57,480円でした。配偶者の年収が90万円で配偶者控除を受けると49,705円、配偶者の年収が180万円で配偶者特別控除を受けると51,355円です。
配偶者控除を受けるかどうかは、その年の12月31日の状況で決まります。夫婦それぞれの上限額の考え方は共働きの記事にあります。このサイトで計算するときは、配偶者の質問に、相手のその年の給与の見込みで答えてください。
育休の年の給与で計算する
計算するときは、年収の欄に「育休に入る前と、復帰後に受け取る給与の合計」を入れます。育児休業給付金は入れません。社会保険料は、免除された月を除いた、実際に引かれる額を入れてください。
育休の年の給与で上限額を計算する年収と家族を答えるだけ・2026年の税制で計算