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ふるさと納税で上限を超えたらどうなる?超えた分の9割前後が自己負担に

公開 2026-10-15・ふるさと上限みつもり

ふるさと納税で上限額を超えて寄附しても、超えた分がまるごと損になるわけではありません。控除は3つに分かれていて、止まるのはそのうちの1つ、住民税の特例分だけです。所得税と住民税の基本分は、超えた分にも効きます。

ただ、止まる特例分がいちばん大きいので、超えた分の多くは自己負担になります。このサイトで計算した例では、超えた額のおよそ7割から9割が、2,000円に上乗せされる負担でした。

ワンストップ特例を使う人は、超えた分の約9割が負担になります。確定申告をすると、所得税の分だけ負担が少し軽くなります。

止まるのは住民税の特例分だけ

総務省は、ふるさと納税の控除を3つに分けて説明しています。

  • 所得税:(寄附額−2,000円)×所得税の税率
  • 住民税の基本分:(寄附額−2,000円)×10%
  • 住民税の特例分:(寄附額−2,000円)×(100%−10%−所得税の税率)

3つを足すと、寄附額から2,000円を引いた額がほぼまるごと税金から引かれます。所得税の税率には、2037年(令和19年)中の寄附までは復興特別所得税の分が上乗せされます。

このうち特例分には上限があります。住民税の所得割の2割までです。寄附が増えて特例分がこの2割に届いたところが、いわゆる上限額です。総務省も、特例分が所得割の2割を超えると、3つの控除を合計しても全額は控除されず、負担が2,000円を超えると説明しています。

上限額を超えても、所得税と住民税の基本分は増え続けます。こちらにも上限はありますが、所得税は総所得金額等の40%、基本分は30%までです。給与だけの人の寄附で、ここに届くことはまずありません。だから、超えた分の控除はゼロではなく「所得税の税率+10%」ぶんは残ります。

ワンストップ特例だと、超えた分は1割しか戻らない

ワンストップ特例を使うと、所得税からは引かれません。その分も含めて、翌年度の住民税から引かれます。所得税で引かれるはずだった分は「申告特例控除額」として住民税から引く仕組みです。

この申告特例控除額は、特例分の額をもとに計算します。地方税法の条文では、特例分に一定の割合を掛けて出します。特例分が所得割の2割で止まると、申告特例控除額も、止まった特例分をもとにした額で止まります。

その結果、上限額を超えた分に効くのは、住民税の基本分の10%だけになります。ワンストップ特例の人は、超えた分の約9割が負担です。

確定申告をすれば、所得税の寄附金控除は寄附の合計で計算されるので、超えた分にも所得税の税率ぶんが効きます。所得税の税率が5%の人なら、超えた分の約85%が負担です。税率が20%の人なら約70%です。

年収別に計算した、超えたときの負担

2026年に寄附する分で計算しました。前提は、給与のみ・独身・社会保険料は給与の15%・ほかの控除なしです。上限額は、年収300万円で28,267円、500万円で57,480円、800万円で129,766円でした。この上限額より1万円、3万円多く寄附したときの自己負担です。

年収 上限+1万円(確定申告) 上限+1万円(ワンストップ) 上限+3万円(確定申告) 上限+3万円(ワンストップ)
300万円 10,451円 10,999円 27,430円 28,999円
500万円 10,463円 11,000円 27,442円 29,000円
800万円 8,909円 10,999円 22,825円 28,999円

上限額ちょうどまでなら、負担はどの年収でも約2,000円です。1万円超えると、負担は1万円前後に増えます。

ワンストップ特例の列は、年収にかかわらずほぼ同じ数字です。超えた分に効くのが住民税の基本分10%だけで、税率の違いが出ないからです。

確定申告の列は、年収800万円の人だけ負担が少なめです。この例では、年収300万円と500万円の人は所得税の課税所得が195万円以下で、税率は5%です。年収800万円の人は課税所得が423万円で、税率は20%になります。税率が高い人ほど、超えた分に所得税の控除が多く効きます。

それでも、超えた分の7割ほどは負担になります。上限額を超えた寄附は、税金が減る仕組みの外で、返礼品のために払っている分が大きい、と考えておくのが実態に近いです。

超えたと気づいたら

まず、今年のこれ以上の寄附を止めます。超えた額が大きいほど、負担は同じ割合で増えていきます。

すでに寄附した分は、控除の手続きを忘れないでください。上限を超えていても、ワンストップ特例の申請か確定申告をしないと、控除は1円も受けられません。超えた分にも所得税と住民税の基本分は効くので、手続きをする意味はあります。

ワンストップ特例を申請していても、確定申告をすることはできます。確定申告をすると、ワンストップ特例の申請はなかったものとみなされ、その年の寄附を全部、確定申告に入れます。上の表のとおり、超えた分の負担は確定申告のほうが少し小さくなります。差は所得税の税率で決まり、税率5%の人で1万円あたり数百円、20%の人で2,000円ほどです。手間と比べて決めてください。どちらにするかの分かれ目はワンストップか確定申告か、確定申告の画面の手順は確定申告ナビで説明しています。

確定申告の受付は、寄附した翌年の2月から3月です。還付を受けるだけの申告は、翌年の1月1日から5年のあいだ出せます。

来年に繰り越すことはできない

上限額は、1月から12月の寄附の合計で、毎年計算し直します。今年超えた分を来年の枠に回したり、来年の枠を先に使ったりする仕組みはありません。

気をつけたいのは、年収が見込みより下がった年です。上限額は寄附した年の所得で決まるので、ボーナスが減った、年の途中で退職した、という年は、去年と同じ額の寄附でも超えることがあります。見込み方はいつの年収で決まるかにまとめています。

年末に寄附するときは、今年すでに寄附した額も合計に入れます。手順は駆け込みでやることにあります。2,000円の意味そのものは自己負担2,000円で説明しています。

寄附の前に上限額を確かめる

超えた分の負担を避けるいちばん確実な方法は、寄附の前に上限額を確かめ、合計がその内側に収まるようにすることです。年収が固まっていない人は、少し低めに見込んでおきます。

自分の上限額を計算する年収と家族を答えるだけ・2026年の税制で計算