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ふるさと納税の控除額の計算|所得税・住民税の基本分・特例分の3つの式と計算例

公開 2026-10-15・ふるさと上限みつもり

ふるさと納税の控除額は、3つの控除の合計です。所得税からの控除、住民税の基本分、住民税の特例分です。3つとも、1年の寄附額から2,000円を引いた額に、それぞれの割合を掛けて計算します。

3つの割合を足すと、ほぼ100%になります。そのため、上限額までの寄附なら「寄附額−2,000円」がほぼまるごと税金から引かれます。上限額を超えると、住民税の特例分だけが頭打ちになり、超えた分は控除しきれなくなります。

この記事では、総務省の示す式と、このサイトの計算(2026年に寄附する分の税の決まり)で、具体的な内訳を確かめます。

3つの控除の式

総務省は、ふるさと納税の控除額を次の3つの式で説明しています。

控除 式
所得税 (寄附額−2,000円)×所得税の税率
住民税の基本分 (寄附額−2,000円)×10%
住民税の特例分 (寄附額−2,000円)×(100%−10%−所得税の税率)

所得税の税率は、2037年(令和19年)中の寄附までは、復興特別所得税の分を加えた率になります。税率5%の人なら5.105%、20%の人なら20.42%です。

基本分の10%は、住民税の所得割の税率と同じです。特例分は、100%から基本分の10%と所得税の税率を引いた残りです。3つを足すと「所得税の税率+10%+(100%−10%−所得税の税率)」で、100%になります。これが、自己負担が2,000円で済む仕組みです。

「ほぼ100%」と書いたのは、特例分の式に使う所得税の税率が、実際の所得税の税率と違うことがあるからです。総務省によると、特例分の税率は、住民税の課税所得から「人的控除差調整額」を引いた額で決めます。所得税の課税所得とは計算の元が違うので、区切りの近くにいる人は、ずれることがあります。

控除の対象になる寄附額にも上限があり、所得税は総所得金額等の40%、住民税の基本分は30%までです。給与だけの人では、ふつうこの上限には届きません。

年収500万円の例で計算する

実際の数字で確かめます。前提は、給与500万円のみ・独身・社会保険料は給与の15%・ほかの控除なし・2026年に寄附、です。

この人は、所得税の課税所得が177万円で、税率は5%です。住民税の所得割は235,500円、特例分の割合は84.895%(90%−5.105%)です。50,000円を寄附して確定申告すると、内訳は次のようになります。

控除 額
所得税(48,000円×5.105%) 2,450円
住民税の基本分(48,000円×10%) 4,800円
住民税の特例分(48,000円×84.895%) 約40,750円
合計 約48,000円

合計は、寄附額50,000円から2,000円を引いた48,000円です。この人の負担は2,000円です。

ワンストップ特例を使った場合は、所得税からは引かれません。所得税で引かれるはずだった2,450円の分も、住民税で引かれます(申告特例控除)。合計の48,000円は同じです。所得税の分がどこで引かれるかが変わるだけです。

年収700万円の例

同じ前提(給与のみ・独身・社会保険料は給与の15%・ほかの控除なし・2026年に寄附)で、給与700万円の人も計算しました。所得税の課税所得は348万円で、税率は20%です。特例分の割合は69.58%(90%−20.42%)になります。

100,000円を寄附して確定申告すると、所得税が約20,010円、住民税の基本分が9,800円、特例分が約68,190円で、合計は約98,000円です。寄附額から2,000円を引いた額になります。

500万円の人と比べると、所得税で引かれる割合が大きく、特例分の割合が小さくなっています。税率が高い人ほど所得税の還付が多く、住民税の特例分は少なくなります。足した合計が「寄附額−2,000円」になるのは同じです。

上限額は、特例分の頭打ちから決まる

特例分には上限があります。総務省は、特例分が住民税の所得割の2割を超える場合は、特例分は「所得割×20%」になると説明しています。この場合、3つの控除を合計しても「寄附額−2,000円」の全額は控除されず、負担は2,000円を超えます。

ふるさと納税の上限額は、この頭打ちの手前の寄附額です。式にすると、次のとおりです。

上限額=住民税の所得割×20%÷特例分の割合+2,000円

年収500万円の例では、所得割235,500円の20%が47,100円です。これを特例分の割合84.895%で割ると約55,480円。2,000円を足すと、上限額は57,480円です。年収700万円の例では、所得割369,500円から計算して、上限額は108,208円です。

上限を超えたとき、何が起きるか

上限を超えて寄附すると、所得税と住民税の基本分は、超えた分にも効きます。特例分だけが47,100円(500万円の例)で止まります。

500万円の例で、80,000円を寄附して確定申告した場合を計算しました。式どおりなら特例分は約66,220円になりますが、上限の47,100円で止まります。所得税の分と基本分を足しても、控除の合計は58,882円です。寄附額から2,000円を引いた78,000円に届かず、負担は21,118円になります。

超えた分のうち控除されるのは、所得税と基本分の割合(この例では、ざっと15%)だけです。残りは自分の負担になります。負担がどう増えるかは自己負担2,000円でも表にしています。

住宅ローン控除がある人は、手続きの方法でこの計算がさらに変わります。住宅ローン控除を見てください。

自分の控除額を確かめる

上の例は、決めた前提での計算です。実際の控除額は、年収、家族、社会保険料、生命保険料やiDeCoなどの控除で変わります。所得割の額が変われば、上限額も変わります。

控除されたかどうかは、翌年の住民税の決定通知書や、確定申告の還付額で確かめられます。見方は控除の確かめ方にまとめています。寄附する前に、自分の条件で上限額を計算してください。

自分の上限額を計算する年収と家族を答えるだけ・2026年の税制で計算